【キューバのダンス】ルンバとは?ワワンコーとは何?ヤンブー、コルンビアとの違いについて

サルサをやり始めると、そのうち“ルンバ”という言葉をよく耳にするようになるでしょう。

 

ルンバがいったい何なのかよくわからない人でも、ちょっと前かがみになって左右交互にサイドにステップを踏む動きがルンバだと思っている人も多いのではないでしょうか。

 

間違っていません。

 

確かにそれはルンバの基本ステップのひとつです。

 

最近はすっかりOn2にハマってしまっている私ですが、私の原点はあくまでキューバ

キューバの音楽とダンスが全ての始まりです。

 

今回は、そんなキューバ音楽を代表するひとつでもあるルンバについて書いていきたいと思います。

 

f:id:yukayuuche:20200210042755j:plain

Rumba Morenaによる演奏風景。ハバナにて。

まず、ルンバとはどういうジャンルに分けられるのか。

 

ルンバはよくアフロキューバンダンスの一つして認識されることが多いですが、中にはルンバはアフロキューバンではないと言う人達もいます。

 

なぜなら、アフロキューバンダンスとは、アフリカ起源でキューバに伝わり、独自の発展を遂げたダンスのことを指します。

 

ヨルバやコンゴ、アララといったダンスがそれにあたります。

 

しかしルンバは、アフリカで生まれたのではなくキューバで生まれました。

 

アフロキューバンダンスのくくりに当てはまらないという理由はそこにあります。

 

ただ、発生したのはキューバですが、ルンバは植民地時代にアフリカから連れてこられた黒人奴隷達の間で生まれました。

 

そのためやはりアフロキューバンのジャンルだと言う人が多いのでしょう。

 

正確にはどちらも正しいかと思います。

 

むしろ、はっきり明確にジャンル分けする必要はないのだと私は思っています。

 

ルンバはルンバ。

 

社交ダンスのルンバとは全く別物であるということだけはしっかり理解しておきましょう。

 

f:id:yukayuuche:20200608122725j:plain

 

さて、そんなルンバには、3つの種類があります。

 

Yambú(ヤンブー)、Guanguancó(ワワンコー)、Columbia(コルンビア)の3つです。

 

一番よく耳にするのはワワンコーでしょう。

私はどうもこのワワンコーというカタカナ表記には今でも慣れません。

実際には“ゥワーンゥワーンコー”という風に聞こえると思います。

でもここではあえてワワンコーという表記で書いていきましょう。

 

キューバ人はペアでサルサを踊っている時によくルンバのステップやムーブメントを混ぜてきます。

 

私がルンバを勉強しようと思ったきっかけはそれでした。

 

ペアで踊っている時に相手がルンバをやり始めても、私はルンバを踊れないからひたすらサルサのステップを踏み続けることしかできませんでした。

 

それが悔しくて、ルンバを勉強しようと決めたのです。

 

さて、そんな風にサルサを踊っている時に混ぜてこられるルンバは、ほぼ100%と言っていいほどワワンコーです。

 

ペアで踊っているのにコルンビアを混ぜてきたり、サルサにヤンブーを混ぜる人はほぼいないでしょう。

 

ではそれはなぜなのか、ルンバのダンスの違いをそれぞれみていきましょう。

 

その前に一つだけ。

 

ルンバの演奏で使われる楽器はコンガやカホン、クラーベ等といった打楽器のみです。

 

キーボードやギターなどのいわゆるメロディー楽器は用いられません。

 

ルンバにおいてメロディーを生み出すのは歌のみ。

 

ここでは踊りの違いについて書いていきますが、ルンバの場合、踊りが異なるのはリズム(クラーベの叩き方)が異なるからだということをまず頭に入れておいてください。

 

Yambú(ヤンブー)とは?

 

まず一つ目、ヤンブーはペアで踊ります。

 

ルンバの中で、一番ゆっくりな音楽がヤンブーです。

 

 

リズムがゆっくりとなるともちろん踊り方もゆっくりになり、ワワンコーやコルンビアと比べると、ヤンブーはより柔らかく、よりセンシュアルに踊られます。

 

ヤンブーはよく ”お年寄りの踊り(baile de los ancianos)” だとも言われますが、それは動きがゆっくりであるからであって、決してお年寄りだけが踊る踊りという意味ではありません。

 

同じくペアで踊るワワンコーとの大きな違いは、ヤンブーではバクナオ(vacunao)を行わないという点です。

 

バクナオについては次のワワンコーの欄で説明しますね。

 

ルンバにおいてペアで踊るというのは、サルサのように男性がリードして女性がそれについていく、というものではありません。

 

ルンバでは、男性が女性を狙っています。

 

でも女性はそう簡単にその男性のことを受け入れません。

 

男性は諦めずに狙った女性に近づいていきます。

 

女性はその様子を見ながら、たまに気があるように見せかけて、でもやっぱり立ち去る、そんなことを繰り返していきます。

 

ルンバでペアで踊るというのは、そういう男女の駆け引きのような意味があるのです。

 

まだ静かに、多少遠慮しながらそのやり取りをしているのがヤンブー、そのやり取りが激しくなっていくのがワワンコー、だと思ってもらったらわかりやすいでしょう。

 

Guanguancó(ワワンコー)とは?

 

ワワンコーもペアで踊ります。

 

ルンバの中で一番よく知られているのが間違いなくワワンコーでしょう。

 

ワワンコーになるとヤンブーよりも速いリズムになり、動きもより機敏になります。

 

そして、男女の駆け引きもより激しくなっていきます。

 

そこで、ワワンコーでは、バクナオという動きが出てくるのです。

 

バクナオ(vacunao)という言葉は、スペイン語で注射するという意味の vacunar からきています。

 

男性が狙っている女性にむかってバクナオをしかけてきます。

 

注射してくるということ、つまり、女性の急所を狙ってくるのです。

 

なので女性は、スカートや手にもっている布などで常に自分の急所を隠して守らなくてはいけません。

 

男性は足や手、それ以外にもどんな手段でバクナオをしかけてくるかわかりません。

 

そのため女性は常に注意深く男性の動きを見て警戒する必要があります。

 

次の動画を見てみてください。

 

女性は常に自分の急所を守っていますよね。

 

そして男性は女性の隙を狙ってバクナオをしかけています。

 

 

 

 

ちなみにバクナオを避けられなかったらどうなるのか。

 

女性は妊娠してしまいます。

 

望まない妊娠を避けるために、女性はバクナオから自分の身を守らないといけないのです。

 

ワワンコーはそういう踊りなのです。

 

ただ、単に逃げ続けるだけではなく、たまには女性からわざと挑発させるようなことをしてみたりするのもワワンコーの楽しいところです。

 

ヤンブーの動画と見比べてみると、ワワンコーでは男女の駆け引きがより激しくなっているのがよく見てわかるのではないでしょうか。

 

Columbia(コルンビア)とは?

 

さて、最後はコルンビアについて。

 

よく、南米の国、コロンビアと同じ発音だと勘違いしている人がいますが、一文字違ってコンビアなのでご注意ください。

 

そんなコルンビアはペアでは踊りません。

 

コルンビアは男性の踊りです。

 

男性が自分の力強さを見せつけ、競い合います。

 

ステップやムーブメントも、ヤンブーやワワンコーでは出てこないようなものが沢山存在し、男性達は自分の得意とするもの、より自信のあるものを見せつけていきます。

 

次の動画のように男性が順番に出てきては、

 

「一番強いのはこの俺だ!」

「一番かっこいいのはこの俺に決まってる!」

 

とアピールするべく、踊りで見せつける、それがコルンビアです。

 

 

私はこのコルンビアが好きすぎて、踊れるようになりたくて、キューバにいた時、汗だくになりながら練習していました。

 

でもやはり、女性の体で踊っても男性のような力強さを表現するのは難しかったですね・・・

 

そしてコルンビアはルンバの中で一番リズムも速くなります。

 

クラーベの叩き方も多くの人がルンバクラーベと思って聞いている叩き方とは完全に異なるものになります。

 

さて、ルンバのそれぞれの踊りの違い、わかっていただけたでしょうか。

 

踊りよりもまずは意味を理解する方が重要だと私は思っています。

 

ヤンブーやワワンコーは男女の駆け引きだということ、そしてコルンビアは男性の力強さを競い合っているのだということ。

 

そういう意味をきちんと理解した上で踊るのと、ただステップやムーブメントだけを学ぶのとでは大きな違いがあります。

意味も理解した上で踊ればもっともっと楽しくなります。

 

そしてサルサを踊る時にも、どんな時にルンバの動きを取り入れられるのかがわかるようになってくるでしょう。